中央高原地帯

Central Highlands of Sri Lanka

2010年7月30日、UNESCOはCentral Highlands of Sri Lanka(スリランカの中央高原地帯)を世界遺産として登録。
スリランカの丘陵地帯は島の南西部に位置しています。認定地域には、Peak Wilderness Protected Area、Horton Plains National Parkと Knuckles Conservation Forestが含まれます。海抜2,500mに位置するこれらの原始林には、オムラサキラングールやホートンプレインズホソロリス、スリランカヒョウ(別名セイロンヒョウ)などの絶滅危惧種を含む希少価値の高い動植物が生息しています。この地域は生物多様性のホットスポットでもあります。
ホットスポットは地球の陸地のたった2.3%であるが、陸上の全植物と全動物の50%以上の多様性を擁しています。ホットスポットのうち8箇所は、絶滅の危機にある霊長類の保護のために最も重要だと考えられています。その地域とは、インドビルマ、マダガスカルおよびインド洋諸島、スンダランド、東アフリカ山岳地帯、東アフリカ沿岸林地域、西アフリカ・ギニア森林、アトランティック・フォレスト、そしてインド西ガーツおよびスリランカです。

ホートンプレイズ国立公園

ホートンプレイズ国立公園は2,000mを超える高原が起伏し、傘の形をした低山地帯と広大な草原で出来ています。高原の端から、スリランカで2番目に標高の高い山であるキリガオポッタ山(2,389m)と、3番目に高いトツポラカンダ山(2,357m)を眺める事ができ、それは絵のように美しい。しかし、一番の公園の魅力は、「世界の終り」です。この場所は高原が突如終わり、880mの断崖絶壁になっています。公園は霧がかり大変美しく、観光客のウォーキングにとても人気が高い。

中央州のヌワラエリヤ地域に位置し、ホートンプレイズ国立公園の西側の丘はスリランカ最大の雲霧林です。ホートンプレイズと地域内の森林には貯水池もあり、スリランカ国内の大切な川にとって重要な役割を果たしています。ホートンプレイズは3,159.9ヘクタールの敷地を有し、1969年12月5日に自然保護区に指定され、1988年3月16日にユニークな生物、流域、美しさを保存する目的のため、動植物保護法の下国立公園に指定されました。

ホートンプレイズは、19世紀半ばまで「マハエラ」と呼ばれていたが、イギリス人統治者であるSir Robert Hortonにより現在の名前に改名されました。1873年に、5,000フィート(1,524m)以上の森林伐採を禁止する条約も出来ました。公園は素晴らしい美しさであり、スリランカの湿地帯、山地にいる地域特有の動植物のほとんどがここに生息しています。

自然・地理

この保護指定区域内より始まっている3つの重要な川、マハウェラ、ワラウェ、ケラニ・ガンガらは、公園の北、南、西側を流れています。 小川のベリフル・オヤはワラウェ・ガンガに合流し、壮大な滝に続いています。標高は1,800m~2,389m(キリガポッタ山頂)。一番標高の高い草原は2,100mに位置し、スリランカ国内の草原の中では一番高い標高を誇ります。霧に包まれている事、輝くバーカー滝に囲まれている事がこの山々の魅力です。公園の南側には、「小さな世界の終り」「大きな世界の終り」があり、それぞれ、274m、880mの断崖絶壁になっています。

この地域の平均年間降雨量は2,540mmですが、ホートンプレイズは年間を通し雨が降るため、平均年間降雨量は5,000mmを超えています。1月~3月にかけ乾季になり、平均年間気温は15°C。また南東、北東で発生する台風の影響を受けます。12月~1月にかけ、霜が降りる光景を見せてくれます。その時の最低気温は2-3°Cととても低くなります。

文化遺産

今から12,000~11,000年前の更新世の末期に、この地域で大量の雨が降りました。この大量の雨により、ホートンプレインズ地域に熱帯雨林が発生しました。化石の発見により、この地域では14,000年前から10,000年前に農耕前の文化が存在したという説もあります。また、大麦、オートムギ、小麦の花粉化石により、現在から9,000年~6,500年前に人々が農業を行い生活していたことも分かっています。定説では、人々は標高の低い場所に住み、標高の高い部分では宝石や鉄鉱石を掘り、畜牛を放牧し、灌漑用の運河を建設し、材木用の木々を伐採していました。バランゴダ文明時代の石器の発掘により、この地域で文明社会があった事が確認されています。

植物

ホートンプレイズ国立公園では744種類の植物が発見されています。これらの植物は2つの地域、2,000ヘクタールの湿地の牧草地と、1,160ヘクタールの亜熱帯常緑広葉樹林に分かれて生息しています。ホートンプレインズ国立公園で生息している植物の5%がスリランカ特有の植物です。草原は低山の雲霧林に組み込まれており、それが高地との境目となっています。キャノピーのほとんどは、キーナ、多種類のマイルタセアエ、ロツンディ・フォリウム、スージージウム・スクレロフィルム、ラウラセアエ、ワル・クルドゥ・ポルカツガハで占められています。また、これらは20mの高さまで成長します。ビナラとネルは花を咲かせる木々で、開花シーズンには公園がより美しい景色となります。川岸沿いには、竹も生息しています。

放牧地では主にツッティリが生えており、沼地ではガワラが生えています。入植者がアフリカから持ち込んだキクリヤは、畜牛の放牧目的で中央高地で育てられています。

動物

サンバー(sambar)はホートンプレインズの標識動物であり良く見かけられます。夕方になると広々とした平野で、サンバーの群れを見るツアーが観光客にとても人気が高い。この地域では、ゾウは約70年前にいなくなったと言われています。ホートンプレインズではトガリネズミ(Kelgart’s Long Clawed Shrew)、トクモンキー、ヤセザル(Purple faced langur)、ネコ(Rusty spotted cat)、スナドリ猫、ヒョウ、イノシシ、カワウソ、マングース(Stripe Necked Mongoose)、ホエジカ、リス(Long tailed giant squirrel)などを見る事ができます。
12種類のスリランカ特有の鳥類のうち、ヒタキ(Dull Blue Flycatcher)、メジロ(Sri Lanka White Eye)、ヒヨドリ(Yellow Eared Bulbul)などを頻繁に見かけます。公園内ではあまり見かける事が出来ない地域特有鳥類、ハト(Sri Lanka Wood Pigeon)、ツグミ(Sri Lanka Whistling Thrush)など。冬の間、ヨーロッパや北アジアから多くの渡り鳥が公園内の高地に集まって来きます。アナツバメ、アナツバメ(Alpine Swift)、ワシ(Crested Serpent Eagle, Mountain Hawk Eagle)、タカ(Black Shouldered Kite)、ハヤブサ(Peregrine Falcon)などがあげられます。アランガ・パクナではセイロン・アランガヤを見ることができます。

公園内の小川にはコイとニジマスの2種類しか生息していませんが、エビ(fresh water shrimp)、ペルビンキアsp(Perbinkia sp)など小川には多くの甲殻類が生息しています。ポリペダテス・エケス(Polypedates eques)、リムノネクテス・グレエニイ(Limnonectes greenii)、ランカネクテス・コルガテ(Lankanectes corrugate)などの地域特有の両生類も生息している。

年間を通して厳しい気候が理由となり、公園内ではほぼ爬虫類は生息していません。その中でも多くいる蛇紋石爬虫類は、コモン・ラフサイド(Common Roughside)や、ヤマカガシ(Buff Striped Keelback)などである。またトカゲ(Black Cheeked Lizard, Rhinohorn Lizard, Pygmy Lizard)などは森林内で発見できます。

施設

公園内のアンダーソンとマハエリヤという2つのバンガローに宿泊する事ができます。アウトドアを楽しみたい人には、キャンプ場も用意されています。バンガロー、キャンプ場の予約は、ワイルドライフ保護部を通して行えます。40人が泊まれる寮も自然豊かな落ち着いた場所に用意されています。グループで観光するにはちょうど良いでしょう。

ホートンプレインズは、多種多様な生物と人間に介入されていない豊かな自然を有するため、自然愛好家だけではなく、教育やリサーチを行う人々も度々訪れています。また唯一、定められたコースであればトレッキングが出来る場所でもあります。トレッキングでは素晴らしい自然と景観を楽むことができます。

ヌワラ・エリヤ、ウェリマダ、ハプタレなどには銀行、病院、郵便局、買い物場所、ガソリンスタンド、電話サービスなどがあります。ホテルはそれぞれの観光客に合わせたサービスを提供しているとして、高い評価を得ています。

ホートンプレインズ国立公園は、毎日午前6時から午後6時まで開いています。

アクセス

コロンボからは、コロンボ―ヌワラ・エリヤ道路を使用。パッティポラを通りホートンプレインズ国立公園に着く。
アウトドアが好きな人は、
Thalawakele-Agarapatana-Diyagama
Belihuloya-Nagarak
をトレッキングする事もできる。
コロンボ―ホートンプレインズ国立公園 212km
ハプタレ/ウェリマダ―ホートンプレインズ国立公園 38km